特派員現地レポート【野沢温泉】外国人に人気の温泉街で異国情緒を味わいながら外湯巡り旅☆写真付き徹底ガイド
旅ポラ編集部特派員が実際に足を運んで、生の声を届ける現地レポート。
今回は長野県野沢村にある「野沢温泉」です。
◆特派員現地レポートの記事はこちら↓
「野沢温泉スキー場阿部寛主演映画「疾風ロンド」の舞台を写真付きでロケ地めぐり」
https://www.tabipora.com/article/215/
日本らしい風情を感じられる、北信州の雪国・温泉街
野沢温泉村は、冬には3m近く雪が積もることもある豪雪地帯。
毛無山の麓にあり、鎌倉時代から湯山村として歴史に登場するほど
古くから温泉地として栄えた日本屈指の温泉街です。
野沢温泉スキー場へは列車利用の場合、東京駅から北陸新幹線に乗り飯山駅下車、
直通バスに乗り換えて約2時間20分で到着。
かつては電車を乗り継ぐ長い道のりでしたが、
北陸新幹線が開通して、ぐんと近くなりました。
野沢温泉街の入口「中央バスターミナル」
この日、飯山から駅から乗ったバスの乗客のうち9割は外国人
フランスや南半球で夏を迎えたオーストラリアなどから長期バカンスで訪れるそうです
中央ターミナルの向かいには観光案内所があります
観光案内所内はパンフレットだけではなく、ゆっくりとくつろげるソファーが置かれたスペースも
隣接する別棟にはカフェもあります
除雪をしていないメイン通り以外は、ご覧のとおりの雪道
村の方のお宅では、屋根の雪下ろし
野沢温泉と言えば、江戸時代から続く共同浴場「外湯」が魅力
野沢温泉村内には30か所以上の源泉があり、
「外湯」と呼ばれる無料の共同銭湯が13か所に点在。
源泉は弱アルカリ性で、天然温泉100%かけ流しです。
利用時間は4月~11月 5時~23時、12月~3月6時~23時。
防犯上、深夜には入浴ができないのでご注意を。
利用料金は無料。
入口に賽銭箱があるので、気持ちだけ入れてもいいでしょう。
特派員の私は大学時代していた競技スキーで、合宿や大会の合間にスキーの練習をするため、
居候させてもらうかわりにアルバイトをするという
居候バイトを野沢温泉でしたことがありました。
初日、その居候先で衝撃を受けたのが、家にお風呂がないこと。
地元の方々はこの外湯があるおかげで、風呂場を家に作る必要がなかったわけです。
最初はお風呂がない衝撃を受けた私ですが、
その後、どの外湯に行こうかすっかり楽しみになっていました。
自分のお気に入りの外湯をみつけ、すっかり地元の人のように馴染んだものでした。
その外湯を写真付きで紹介します。
大湯(おおゆ)
河原湯(かわはらゆ)
麻釜の湯(あさがまのゆ)
上寺湯(かみてらゆ)
真湯から坂を下ったところにあり、ここは歴史の古い湯で、麻釜より引湯した浴場
泉質:含石膏-食塩・硫黄泉 / 効能:切傷、火傷、おできあと、痔核、糖尿病など
新田の湯(しんでんのゆ)
十王堂の湯(じゅうおうどうのゆ)
斑山文庫の下、閻魔堂の前に建つ二階建ての浴場。麻釜と湯ノ宮から引湯している
泉質:含石膏-食塩・硫黄泉 / 効能はぼ大湯と同じ
秋葉の湯(あきはのゆ)
麻釜の源泉の少し上にあり、木造のこじんまりとした建物。源泉は78度と高温
泉質:含石膏-食塩・硫黄泉
効能:重病後の回復期など
熊の手洗湯(くまのてあらゆ)
熊が発見したという古い湯。昔は伝説に因んで手洗湯、後に照湯、寺湯ともよばれていました。
泉質:含石膏-食塩・硫黄泉
効能:火傷・切傷
真湯(しんゆ)
中尾の湯(なかおのゆ)
共同浴場の中で、一番大きい木造湯屋建築。源泉は麻釜で、そこから引湯されています
泉質:含石膏-食塩・硫黄泉
効能:皮膚病・リュウマチ・婦人病・鉛・水銀中毒
※秋葉の湯、滝の湯、熊の手洗場、真湯、中尾の湯は野沢温泉観光協会HPより引用
外湯を利用する際の注意点があります。
先にも説明をしましたが、地域住民の住宅にはお風呂がなく
外湯を生活の共同場所として毎日、利用しているご家庭も多くいらっしゃいます。
また地域住民が「湯仲間」という制度を作って、
電気料や水道料の負担、当番制で毎日の掃除などの管理・維持しています。
初めて外湯に入る方は、お湯が熱いと感じるかもしれません。
特派員の私も初めて入ったとき、あまりの熱さに水の蛇口をひねろうとしたところ
水を足してはならないと地元の方に教えていただきました。
温泉の効能が薄れるのはもちろんですが、
外湯から自宅に帰るまで湯冷めをしないため、という理由もあります。
熱いお風呂に入れば、寒い雪の中でも体の芯までポカポカのまま
自宅まで帰れることを私も実感しました。
熱くても我慢!で、外湯を楽しんでください。
外湯以外にも楽しみがいっぱい!温泉街を満喫しよう
野沢温泉の楽しみは外湯だけではありません。
冬は日本初スキー場の野沢温泉スキー場でスキーやスノボ、
夏にはサマーゲレンデやジップ・スカイライドやアスレティックなどの
アクティビティが楽しめます。
また道祖神などの伝統や野沢菜などのご当地グルメなどなど、楽しみがいっぱいです。
麻釜(おがま)
野沢温泉に点在する30余りの源泉のひとつで、シンボルである「麻釜」。
その名は、麻をここで煮て皮を剥きやすくしたことに由来します。
大釜・丸釜・ゆで釜・竹のし釜・下釜といった大きな湯だまりがあり、
90℃近い熱湯が絶えず湧き出ています。
「村の台所」とも称され、村人が山菜や玉子、つる細工の材料をゆでるのに使っています
(柵外からの見学は自由。柵内への立ち入り、利用は村人のみです)
道路には麻釜への道しるべがあります
ふるさとの湯
日帰り入浴施設「ふるさとの湯」
湯屋建築の趣のある建物で、あつ湯とぬる湯、露天風呂が完備されています
- 麻釜温泉公園「ふるさとの湯」
- 営業時間:午前10時~午後8時【入館は午後7時30分まで)
- 休館日:木曜日(祝祭日の場合は翌日休館)
- 入浴料:おとな500円、こども300円(3歳~小学生以下)
足湯
大湯の前にある足湯。5軒の旅館の玄関先にもあります
ひざ下約10cmを10~20分浸して、額がうっすら汗ばんだら出どきです
温泉卵
温泉街の数か所に温泉卵が作れる場所があります
(ミニ温泉広場「ゆらり」、上寺湯、熊の手洗湯、松葉の湯、十王同の湯)
玉子は、温泉街の商店で買うことができます
所用時間は場所によって違うので、その場で確認ください
御嶽神社
野沢温泉の源泉のひとつ「麻釜」の目の前に鎮座する神社
冬は雪が神殿の上まで埋もれています
大湯通り
野沢温泉街のメイン通り「大湯通り」
夜の温泉街ですれ違う人は、ほとんどが外国人でした
外国人観光客に人気スポット☆
今回、驚いたのが外国人が多かったこと。
日曜日ということもあって、夜の街ですれ違うのはほとんどが外国人。
一瞬、海外にいる錯覚を起こしてしまうほどでしたが、
看板が日本語で、不思議な雰囲気を体験しました。
地元の方に伺ったところ、中国人や夏を迎えている南半球のオーストラリア人などが
シェアハウスをして長期滞在をしているそう。
あるオーストラリア人は、ここの次は台湾に行くと言っていました。
なぜこんなに外国人が多いかというと、口コミで広がったそうです。
恐るべしインターネットの世界ですね。
今は北海道だけではなく、野沢温泉や白馬などが外国人に人気だそうで
旅行通やリピーターが、より日本らしさを感じることができる場所を求めていることを実感しました。
中華料理を堪能したファミリー
どこの飲食店も外国人でいっぱい
大湯通りで行違う人も外国人のみ
外国人には青が人気カラーのよう?
外国人が店の外まであふれていて、何かと思ったらテニスの試合を見ていました
麻釜近くですれ違ったフランス人グループ。店員さんは堂々と日本語で対応
スキー場も外国人がいっぱい。英語をはじめ、フランス語や中国語が飛び交ってました
スキー帰りにすれ違う人もほとんど外国人
スキー場のレストランもほとんど外国人
日本の風景に外国人が溶け込んだ不思議な雰囲気の「野沢温泉」。
温泉、グルメ、観光、スポーツ、と一度にいくつも楽しめるのが野沢温泉の魅力です。
ぜひ野沢温泉ならではの楽しみを満喫してみてください。
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「野沢温泉スキー場」に行けるツアーはこちら↓
http://www.orion-ski.jp/area/nozawa_area/nozawaonsen/
野沢温泉観光協会HP:http://nozawakanko.jp/
野沢温泉スキー場HP http://www.nozawaski.com/
この記事を書いた人REPORTER
川窪 葉子
川窪 葉子の記事をもっと見る大学卒業後、旧財閥系総合商社や外資系企業、総合出版社・新聞社などを経て、現在はシステム開発・コンテンツマーケティング会社に所属し、撮影・取材・執筆・セミナーを行う。写真では千代田区観光協会「魅力発信発掘賞」やリクルートSUUMO、東京駅100周年記念などのコンテスト入賞ほか、富士フイルム公式HPレンズ別作例など掲載多数。スキーは大学時代に競技スキーに打ち込み、1月のテストを終えると4月の授業スタートまで合宿や大会、住み込みバイトなどで山を転々とする生活を送る。社会人になってからもスキー部に所属。商社大会では団体優勝を経験する。